夢という言葉は嫌いだ

今週のお題「夢」

 幼い頃から、夢という言葉に違和感を感じてきた。この言葉に含まれる何となく地に足のついていない感じ、浮ついた雰囲気、前向きであることを押し付けてくる何か。そんなことに疑問を感じていたのだと思う。子どもの頃は言葉にはならなかったけど。だいたい現実は、夢などで動いているわけではないし、生きていけるわけでもない。

 スポーツ選手やアーティストなどがよく口にする夢をあたえたいなどという決まり文句を聞くと吐き気がする。彼らも定型句として無難にしゃべっているだけで、まさか本気で夢を他人に与えられるなどと思っているわけではないだろうけど。だいたい、そんなことが動機の人間が大成すると私は思わない。もっと心にくすぶる何か、例えばコンプレックスであったり敵愾心や嫉妬、乗り越えたいもの、そんなことのため、何よりも自分のためにやっているはずだ。

 最近、現実の社会が暗くなるにつれて少し、夢という言葉を耳にすることが減ったのは個人的にはありがたいことだ。モニター画面の向こう側だけは例外のようだが、幸いにして我が家には、PCのモニターしかないので、つまらないものを不意打ちに見せられることは避けられる。良い世の中だ...