政局は動き出すと止まらない?

 東洋学園大学教授の櫻田淳さんの大阪維新の会の「船中八策」についての論考が興味深い。注目している人も多いようだ。

 仮に明治維新の開始を1853年の黒船来航として、その終結を1877年の西南戦争とすると、その間、24年(明治維新の時期をどうみるかについては諸説があるが)。平成の政治動乱(55年体制の崩壊)の始まりを1993年の自民党分裂、細川連立政権の樹立とし、現代まで続いているとすると、2012年の今年で19年。歴史に学ぶなら後、5年ぐらいは、ゴタゴタが続いてもおかしくないのかもしれない。

 私は、何かというと自らを幕末の志士や明治の元勲たちになぞらえる自己愛の強い、現在の政治家の一部を軽蔑している。実際にそうした政治家たちと生に接してきてそう思う(一昔前の文士劇ならまだしも、現役の政治家たちが幕末の志士を演じる劇をやっている姿を思い出し吐き気がする)。だからこんな例えはあまり使いたくないのだが、今の日本は政治状況を安定に導き、統治を取り戻すことのできる政治家を求めている。現代の勝海舟西郷隆盛の役割を果たす政治家はあらわれないのか。

 まだ、判断を下すには早い気はするが、櫻田さんの論によるならどうやら橋下徹は短期的には政治的選択を間違えつつあるのかもしれない。軌道修正は、できると思うが、すでに政局は動き出してしまっている。そして、往々にして政局は思ったようにはコントロールできないものなのだ。