ボランティア  もうひとつの情報社会

 初版が、1992年。私の手元にあるものが、32刷で2003年のもの。今も絶版になっていないようなので売れ続けているようだ。50刷ぐらいには、なっているかもしれない。増刷されることなく、1〜2ヶ月で店頭から消えていく(あるいは、多くの書店では店頭にも置かれない)ほとんどの中ではヒット作といっていいと思う。

 ボランティアやNPOについて知りたい人が、初めて手に取ることが多いのだろう。確認はしていないが、現在でも大学の非営利組織論などの授業で参考文献として学生に紹介されているのだろうし、ボランティア、NPO関連の論文での引用も多い印象がある。古典というほど古い本ではないが、新しい古典ともいうべき位置づけになりつつあるのではないか。

 本書の書評については、Amazonのレビューから、専門家筋の本格的なものまでインターネットで多数読むことができるので、私は、少し違う読み方を試みてみたい。

 以下に、本書に登場する組織や個人について、20年後の今をインターネットで確認できる限り調べたものを記す。悪趣味と言われそうだが、私はこの手の確認作業が子供のことから好きで、例えば、新聞記事で紹介された人物(基本的には、政治家などの公人の歩みに関心を持つことが多かった)がその後どうなったかが、どうしても気になり関連しそうな書籍をあたったりということを繰り返してきた。

 インターネットが一般化してから、この手の作業はやりやすくなった。間違いが流布していることもあるので紹介する際には気をつけないといけないが、とりあえずこういった情報がインターネットで確認できたという事実を簡単に整理し紹介したい。

ボランティア―もうひとつの情報社会 (岩波新書)

ボランティア―もうひとつの情報社会 (岩波新書)